一歩間違えれば大惨事?低山での遭難一歩手前の出来事

一歩間違えれば大惨事?低山での遭難一歩手前の出来事

私は、登山ルート装備は念入りにチェックする方だと思います。

 

元々の性格が心配性と言うこともありますが、単独行が多いので、
自分の体力以上の行程は計画しませんし、エスケープルートも
必ず念頭に入れておきます。

 

もちろん装備の不備がないかも入念にチェックします。

 

しかし、登山を始めたての頃、今でも時々思い出す
「危なかったな」という体験が2つあります。

 

 

1つ目は、奥多摩の川苔山です。
登山を始めたてほやほやの頃で、いつもは
地元の600メートル位の山に登っていましたが、
その山にもだんだん慣れてきて、もう少し高い山に登ろうと足を延ばしました。

 

平日だった為、登山客は数えるほどしかいませんでした。
緑の気持ちいい樹林帯の中をゆっくり登っていました。
前後に登山客はいません。

 

単調な登山道が続き、展望も無く、私は考え事をしながら下を向いて歩いていました。

 

ふと、だんだん歩き辛くなっていることに気が付きました。
登山道が狭くなっていたのです。

 

「あれ?」立ち止まって顔を上げました。
登山道と言うより、けもの道でした。

 

私はコース通りにちゃんと歩いていたつもりが、いつのまにかそれていたのです。

 

周りを見渡すと似たようなけもの道が幾筋もありました。
地図を出しましたが、どこで間違えたのか分かりません。
やみくもに動くと、すぐ分からなくなってしまいそうです。

 

とにかく、来た方向にひたすら戻りました。
しばらく歩くと、パッとけもの道が消えて、登山道に戻りました。

 

その時は「あー良かった」と何事も無かったかのように登山を続け、
山頂に行き、下山しましたが、今思い出すとぞっとします。

 

私が間違ったところは、つづら折りのような場所で、
ぼんやりと歩いていたため曲がり角に気付かず直進してしまったようでした。

 

もし霧が出ていたなど条件が悪かったら、登山道に戻れなかったかもしれません。

 

いくら整備されている山であろうと、低山であろうと、
気を抜いて歩いてはいけないと自分を戒めた出来事でした。

 

 

2つ目は、6月の終わりに北アルプスの前穂高岳に登ろうとした時です。

 

1日目は麓の小梨平でテントを張りました。
天気は良く、とても暑く、私はビールを飲んでテントを全開にして
昼寝をして過ごしました。

 

翌日、風が強かったですがとりあえず岳沢まで登りました。

 

しかし山頂付近は風速20メートル以上あるとのことで、下るか悩みましたが、
せっかく来たし、翌日の午前中を狙うことにしました。

 

この年は残雪が多く、テント場はまだ開いていなかったため、
沢の雪の上にテントを張りました。

 

夕方、なんだが顔が暑いような気がしました。
右目のまぶたと左の頬の上の部分が腫れているようでした。
鏡を持っていなかったので、デジカメで自分の顔を写して見ると、
2か所虫に刺された跡があり、少し腫れていました。
でも痛くも痒くもないので、その日はそのまま休みました。

 

その夜は豪雨でした。
テントの下の雪が解け、川のように水が流れていました。

 

テントがずれていっているのが分かりました。
テントをたたんで避難しようと思いましたが、目が開きません。
顔はパンパンに腫れて、右目のまぶたは塞がり目を開けられず、
左は頬が腫れ目の下の肉が持ち上げられ、左目が潰されるようになり、半分も見えません。

 

それでもなんとか荷物をまとめ、風が弱まった時にテントをたたみ、
小屋の軒下へ避難しました。

 

明け方になると、テントを張っていた場所の雪が流されました。
小屋の人に助けを求めようか迷いましたが、パンパンの顔が恥ずかしかったのと、
片方の目半分でもなんとか下りられるだろうと思い、1人で下山しました。

 

しかし、左目も塞がれどんどん見えなくなってきました。
何度も転びました。
その時後ろから1人の男性の登山客の方が下りてきて、私の顔を見て驚いたようで
一緒に下りましょうと言ってくれました。

 

私は最初は恥ずかしくて断りましたが、振り切るように歩いた瞬間に
また転んでしまい、その方に力を貸して頂くことにしました。
その男性は私のザックを持って下さり、上高地の診療所までゆっくりと下りて下さいました。

 

診療所で点滴を受けた後、松本の病院に行きました。
顔を2個所ブヨに刺されたようで、虫のアレルギー体質であったことも初めて知りました。

 

おそらく小梨平でビールを飲んでテント全開で寝ていた時に刺されたのでしょう。
私は、もう少しで行動不能になるところでした。
ほぼ見えない両目で、あの男性がいなかったらどうなっていたか分かりません。
あの時、もっと早く小屋の方に助けを求めるべきだったのだと思います。

 

 

この2つの出来事は、運が良かったから無事に下山できたのだと思います。
虫の話は笑い話のようですが、山では小さなことが命取りになる可能性があります。

 

この反省を忘れずにこれからも山を楽しみたいです。

 

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